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スズキ・メソードについて

スズキ・メソードは今から70年以上前に日本から発信した教育法で、今では全世界46カ国に広がっています。
特に全米で絶賛され、今やアメリカの大学では音楽学部や教育学部にスズキ・メソードの理念を学ぶ講義が設けられているほどです。
その始まりは、創始者の鈴木鎮一氏の昭和6年ころの「誰もが母語を話している。」という気づきでした。



「どの子も育つ 育て方ひとつ」

地上のすべての子どもたちが母語を話す。当たり前のように感じますが、言葉とは、学習によって会得するものですから、遺伝とか生まれつきとかということに関係が無いはずなのです。それなのに、すべての人が自由自在に操ることが出来ている。つまり、すべての人がすぐれた「教育」をされたはず。この母語教育こそが、スズキ・メソードの手本です。
鈴木鎮一氏は、「うまれつき」ということではなく、「だれもが教育によって育つ可能性を持っている」という考えを持ち、落伍者がでないで「教育」 をしよう、「どの子も育つ 育て方ひとつ」だと、説いたのです。



「人は環境の子なり」

環境は人を作ります。逆に言えば、環境にないものは決して育たないのです。だから、出来るだけ良い環境の中で子ども達を育ててあげる。これが母語教育の最大の特徴です。
具体的に赤ちゃんが言葉を身につけていく環境を考えてみると、日本なら周囲に日本語を繰り返し繰り返し聞かせてあげる環境があり、また赤ちゃん自身は話すようになると知った言葉を繰り返し繰り返し自然と使っていきます。 その行為は、親が「日本語を話しなさい」と強制して躾けたわけではなく、また本人も「日本語が好きだから話したい」という意思を持っていたわけでもなく、ごく自然に行われています。
これをスズキ・メソードは音楽を使って応用します。まず、耳からの学びによって音楽の感性を身につけ、継続によって能力を高め、音楽が好きかどうかを考えることも無く人生の一部にする。これがスズキ・メソードの教育法です。



より高い心の人に

「先生、うちの子はものになりますでしょうか。 」おかあさんのこの問いに、わたしは笑って答えました。
「いや、おかあさん、ものにはなりませんよ。」
わたしの答えにびっくりしたおかあさんに続けて申し上げたことはこうです。
「しかし、お子さんはりっぱな人間になられます。それだけでいいではありませんか。すこしでもりっぱに、より美しい心のひとに、そして幸福な道へ・・・おかあさん、わたしたちは、心をますますりっぱにするように努力しましょう。」

鈴木 鎮一著 『愛に生きる』(講談社現代新書)より


戦争が終わった昭和20年、松本で本格的に才能教育研究会の活動がスタートします。戦後間もない貧しい日本で、すべての子ども達の幸せを願ってこの活動を始められた鈴木鎮一氏の思いを今は私たちスズキ・メソードの指導者が心に引き継いでいます。



ご存知でしたか?「エル・システマ」

今もなお、内戦が多く起こっているベネズエラ。そのベネズエラの子ども達に希望を与えているのが、「エル・システマ」というオーケストラによる教育プログラムです。
このエル・システマとスズキ・メソードの関係、ご存知ですか?
このエル・システマが創られた目的、それは、国の財産であるベネズエラの未来を背負っていく子ども達を「オーケストラというツールを使って将来ある豊かな人間に育成すること」でした。そして、設立に携わったホセ・アントニオ・アブレウ氏は、スズキ・メソードを取り入れようと、鈴木鎮一氏のもとで育った小林武史氏にアドバイスを求めたのです。
スズキ・メソードが世界中で認知され、それが確かな教育法であるということは、エル・システマの成功でも分かります。しかし、この「成功の証」とは有名な若い音楽家を作ったことで示されているのでしょうか。スズキ・メソードとエル・システマに共通する思い。「豊かな人になる」ということ。子ども達が生きる力を持ち、心を美しく高く持ち、そしていずれ祖国を世界を作っていく・・・。音楽はひとつの道具であって、最終目的ではないのです。そのことがなによりも大切な目的です。

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